書き置きの御朱印とは

書き置きの御朱印は、半紙や厚紙にあらかじめ書かれた御朱印です。御朱印帳をその場で開いて書いていただく直書きに対して、紙のかたちで授与されます。参拝者が多い日や、書き手が一人で手が回らないとき、あるいは御朱印帳を持ち合わせていないときに、書き置きをいただくことがあります。

紙のままでも、いただいた日その場所の記録には変わりありません。ただ、ばらばらの紙のままだと折れやすく、どこの神社のものだったかも時間とともにわかりにくくなります。そこで、御朱印帳に貼るか、専用のファイルにおさめるか、という保管の話になります。

貼る前に、のりを選ぶ

貼り方でいちばん差が出るのは、のりの選び方です。紙が水分を含むと波打つため、水分の少ないものを選ぶのがしわを防ぐ第一歩です。手に入りやすいのは、次の三つです。

スティックのり 塗る量を調整しやすい 四辺と中央に薄く塗って貼ります。手軽で費用もかかりませんが、水分をやや含むため、塗りすぎると紙が波打つことがあります。薄く、手早く塗るのがこつです。
テープのり しわになりにくい 乾いたテープ状ののりを引いて貼ります。水分をほとんど含まないため、御朱印がしわになりにくく、貼った直後から扱えます。外周をぐるりと一周させると、四隅が浮きにくくなります。
両面テープ しっかり固定できる 厚手の紙や、四隅だけをとめたいときに向いています。粘着が強いので、位置を決めてから貼ります。一度貼ると貼り直しが難しいため、仮置きで位置を確かめてからにします。

避けたいのは、水分の多い液体のりです。塗った直後は貼れても、乾く過程で紙が縮み、波打ちやしわの原因になります。スプレーのりを使う場合は、四隅だけでなく裏面全体に薄く吹きつけると、均一に貼りつきます。どののりを選ぶにしても、まずは要らない紙で一度試しておくと、量の加減がつかめます。

御朱印帳に貼る手順

貼る位置を、仮置きで決める

のりをつける前に、御朱印を帳面のページに重ねてみます。上下と左右の余白が均等になる位置を探し、鉛筆で四隅にごく薄く印をつけておくと、貼るときに迷いません。

書き置きの紙がページより大きい場合は、上下か左右の一辺を基準に合わせ、はみ出す分は貼ってから折るか、そのままにします。無理に切ると、いただいたときのかたちが変わってしまいます。

裏面に、のりをつける

御朱印を裏返し、四辺と中央にのりをつけます。四辺だけだと中央が浮き、中央だけだと角がめくれます。テープのりなら外周を一周させてから、中に一、二本足すと安定します。

墨や朱印の面には触れないようにします。指の脂がつくと、時間が経ってから跡が残ることがあります。

中央から外へ、空気を抜いて貼る

仮置きで決めた位置に合わせ、まず中央を軽く押さえます。そこから指の腹で中心から外へ向かってなで、空気を押し出しながら貼りつけます。端から一気に貼ると、中に空気やしわが残りやすくなります。

紙の上に薄い当て紙を一枚のせ、その上からなでると、御朱印の面を汚さずに押さえられます。

重しをのせて、乾かす

貼り終えたら、御朱印の上に紙を一枚あて、その上に本などの重しをのせます。しばらく置くと、反りやわずかなしわが落ち着き、平らに仕上がります。スティックのりを使ったときは、乾くまで少し長めに置きます。

蛇腹式の御朱印帳では、貼った直後に折りたたむと隣のページに写ることがあります。乾いてから閉じるようにします。

いただいた日を、書き添える

書き置きには日付が入っていないこともあります。貼ったそばに、参拝した日と神社名を小さく書き添えておくと、あとで見返したときに、いつどこでいただいたものかがすぐにわかります。

ファイルで保管する方法

御朱印帳に貼らず、専用のファイルやアルバムにおさめる方法もあります。透明なポケットに一枚ずつ差し込むもので、のりを使わずに保管できます。貼るのが難しい大判の紙や、見開きの書き置きも、折らずにそのままおさめられます。

ファイルの利点は、順番を後から入れ替えられることと、のりでの失敗がないことです。一方で、参拝した日付の順に一冊へまとめたい方には、御朱印帳に貼るほうが向いています。直書きの御朱印は帳面に、書き置きはファイルに、と分けている方もいます。どちらが正しいということはなく、自分が見返しやすいかたちを選べば十分です。

紙のまま重ねて箱にしまうこともできますが、折れや擦れが起きやすく、順番も崩れがちです。数が増えてきたら、帳面かファイルのどちらかにまとめておくと、あとから探しやすくなります。

気をつけたいこと

水分の多いのりを、たっぷり塗らない 液体のりを厚く塗ると、乾く過程で紙が波打ちます。使うなら薄く、できればテープのりや両面テープを選びます。
墨や朱印の面に、直接触れない 乾いているように見えても、こすると墨がにじむことがあります。当て紙をあてて押さえると安心です。
貼る前に、位置を仮置きで確かめる 両面テープや強いのりは貼り直しがききません。位置を決めてから、のりをつけます。
直射日光と湿気を避けて保管する 日に当たると墨や朱が褪せ、湿気が多いと紙が反ります。本棚に立てて、風通しのよい場所に置きます。
紙のサイズを、無理に切りそろえない ページに収まらないからと切ると、いただいたときのかたちが失われます。はみ出す分は折るか、ファイルで保管します。

よくある疑問

いちばんきれいに貼れるのは、どののりですか

水分をほとんど含まないテープのりが、しわになりにくく扱いやすいです。厚手の紙をしっかりとめたいときは両面テープ、費用を抑えたいときはスティックのりを薄く、というように、紙の厚さと好みで選び分けます。

貼ったあとにしわができてしまいました

貼り直せる状態なら、静かにはがして貼り直します。はがせない場合は、上に当て紙をのせて重しを置き、しばらく平らにしておくと、浅いしわは目立ちにくくなります。次からは、のりを薄くし、中央から空気を抜いて貼ると防げます。

大きくてページに収まりません

上下か左右の一辺を基準に合わせて貼り、はみ出す分はページの端で内側へ折ります。折りたくない場合は、大判の御朱印も入る専用ファイルにおさめる方法があります。

直書きと書き置きは、分けたほうがいいですか

決まりはありません。日付順に一冊へまとめたいなら同じ帳面に、貼る手間を省きたいなら書き置きだけファイルに、と分ける方もいます。見返したときにわかりやすいかたちを選べば十分です。

のりを使わずに残すことはできますか

透明なポケットのついた御朱印専用ファイルやアルバムを使えば、のりなしで一枚ずつおさめられます。のりでの失敗が心配な方や、順番を入れ替えたい方に向いています。

紙一枚に、その日が残る

書き置きの御朱印は、直書きに比べて味気なく感じられることがあるかもしれません。けれど、混雑のなかで手渡された一枚にも、その日そこへ足を運んだという事実が確かに残っています。きれいに貼っておけば、あとで開いたときに、その一日が静かに立ち上がってきます。

紙に残るのは、日付と墨と朱印だけです。なぜその日そこへ行ったのか、境内で何を思ったのかは、時間が経つと薄れていきます。御朱印をいただいた日に、感じたことをひとこと書き添えておく。それだけで、あとから読み返したときの手ざわりが変わります。