選ぶ前に知っておきたいこと

御朱印帳は、御朱印をいただくための専用の帳面です。厚手の和紙を使い、墨と朱印が裏に抜けにくいように作られています。市販のノートや色紙では書いていただけない神社もあるため、御朱印をいただく予定があるなら、先に一冊を用意しておきます。

選ぶときに迷いやすいのは、大きさ、綴じ方、そして神社と寺院で帳面を分けるかどうか、の三点です。どれも正解が一つに決まっているわけではなく、自分がどう使いたいかで答えが変わります。順に見ていきます。

一、サイズを決める

市販の御朱印帳は、おおまかに二つの大きさに分かれます。文庫本に近い「一般サイズ」と、それより一回り大きい「大判サイズ」です。

一般サイズ 縦16cm × 横11cm 前後 神社の授与所で見かける御朱印帳の多くがこの大きさです。かばんに入れやすく、旅先でも持ち歩きやすいのが利点です。書き置きの御朱印を貼るときは、紙のほうが大きくてはみ出すことがあります。
大判サイズ 縦18cm × 横12cm 前後 寺院で扱われることが多く、文具店や専門店でも増えています。書き手の方が伸びやかに筆を運びやすく、書き置きの御朱印もおさまりやすい大きさです。その分、持ち歩くときにかさばります。

どちらにするかは、どこでどう使うかで考えます。神社を中心にめぐるなら一般サイズで困ることは少なく、書き置きをよくいただく方や、寺院も合わせてめぐる方は大判が向いています。二冊目からは、一冊目と同じ大きさに揃えると本棚に並べたときに整います。

二、綴じ方を選ぶ

御朱印帳の綴じ方は、主に「蛇腹式(じゃばらしき)」と「和綴じ(わとじ)」の二つです。

蛇腹式 一枚の紙を折りたたんだ形 広げると一枚につながり、見開きで平らになります。書き手がページの継ぎ目を気にせず書けるため、授与所での扱いに向いています。市販品の多くはこの形です。落とすと広がりやすいので、留めゴムや帯があると安心です。
和綴じ 糸で綴じた冊子の形 本のように一枚ずつめくります。開いたときに中央がやや盛り上がるため、見開きの御朱印には向きませんが、ページが散らばらず、持ち歩いても崩れにくい形です。伝統的な装丁を好む方に選ばれています。

はじめの一冊で迷うなら、蛇腹式を選んでおくと扱いに困ることは少ないです。表と裏の両面を使えるのも蛇腹式の特徴ですが、墨が裏に写ることがあるため、片面だけ使う方も多くいます。使い始めは表紙を上にして開いた一ページ目からです。

三、神社と寺院で分けるか

御朱印は、もともと写経を寺院に納めた証としていただいた印です。日本の信仰は長く神仏習合の中にあり、御朱印もその流れの中で神社にも広がりました。ですから、神社と寺院の御朱印を一冊にまとめることに、本来の決まりとしての問題はありません。

ただ、実際には、寺院によっては神社の御朱印と同じ帳面には書けないとされる場合があり、ごくまれに授与を断られたという話も聞きます。宗派や寺院ごとの考え方の違いによるもので、一律ではありません。

そのため、神社と寺院の両方をめぐる予定があるなら、はじめから二冊に分けておくと迷いが減ります。神社だけをめぐるつもりなら、分ける必要はありません。途中から分けたくなったときは、その時点で二冊目を用意すれば足ります。

四、どこで求めるか

御朱印帳を求められる場所は、大きく三つあります。

一つ目は、神社の授与所です。社紋や社殿の意匠をあしらったその神社だけの御朱印帳があり、はじめの一冊としても、その神社の記念としても向いています。御朱印帳を授かると同時に、一ページ目に御朱印をいただけることも多いです。初穂料や授与の有無は神社によって異なります。

二つ目は、文具店や書店です。無地や柄物が並び、大きさや綴じ方を見比べて選べます。三つ目は、御朱印帳の専門店や通信販売で、紙質や装丁を細かく選びたい方に向いています。

どこで求めても、御朱印そのものに違いはありません。手に取ったときに、大切に使いたいと思える一冊を選ぶことが何よりです。

五、使い始める前に

表紙の細長い紙、題箋(だいせん)と呼ばれる部分に「御朱印帳」と書きます。神社で授かった御朱印帳には、あらかじめ書かれていることが多いです。裏表紙の内側や見返しに、自分の名前と連絡先を書いておくと、授与所で預けたときの取り違えや、置き忘れたときの手がかりになります。

持ち歩くときは、御朱印帳を入れる袋やカバーがあると、雨や汚れから守れます。専用の袋でなくても、布の巾着で足ります。

よくある疑問

一冊目は、どの大きさから始めるとよいですか

神社を中心にめぐるなら一般サイズ、寺院も合わせてめぐるなら大判サイズを目安に。迷う場合は、はじめて参拝した神社の授与所にある御朱印帳を選ぶと、大きさで悩む必要がなくなります。

一冊で何社分いただけますか

製品によってページ数が異なります。蛇腹式で片面だけを使うなら折りの数がそのまま社数になり、両面を使えばその倍になります。ページ数は求めるときに確かめておきます。

途中で神社と寺院を分けたくなったら

そのときに二冊目を用意すれば大丈夫です。すでに混ざっている一冊を書き直す必要はありません。それまでの御朱印は、そのときの参拝の記録としてそのまま残します。

御朱印帳は、いくつ持っていてもいいですか

決まりはありません。神社用と寺院用、旅先用と近所用、というように分ける方もいます。ただ、冊数が増えるほど、どの帳面にいただいたかを思い出しにくくなります。いただいた日と場所は、別に書き留めておくと後で探しやすくなります。

書き終えた御朱印帳は、どうしますか

処分するものではないので、直射日光と湿気を避けて保管します。本棚に立てて並べると、背表紙代わりに題箋が見えて探しやすいです。読み返すと、その日の天気や気持ちまで思い出されるものです。

御朱印帳は、記録の器

大きさも綴じ方も、どれを選んでも御朱印の価値は変わりません。変わるのは、持ち歩きやすさや、書き置きのおさまり、本棚に並べたときの姿です。自分の参拝の仕方に合う一冊を選べば、それで十分です。

御朱印帳には、どこへ行ったかが残ります。ただ、なぜその日そこへ行ったのか、境内で何を思ったのかまでは、墨と朱の並びからは読み取れません。御朱印をいただいた日に、感じたことをひとこと書き添えておく。御朱印帳と一緒に、そんな記録も残しておくと、あとから読み返したときの手ざわりが変わります。