都心でめぐる
明治神宮
渋谷区代々木神園町
明治天皇と昭憲皇太后をお祀りする神社。原宿駅を出てすぐ、大鳥居をくぐると都心とは思えない森が広がります。この杜は創建時に全国から献木を集めて人の手で植えられたもので、いまでは自然林のような姿になりました。初詣の参拝者数は日本一。表参道の砂利を踏む音が、驚くほど心を静めます。
神田明神(神田神社)
千代田区外神田
江戸の総鎮守として、いまも神田・日本橋・秋葉原など百八町の氏神さま。大己貴命(だいこく様)、少彦名命(えびす様)、平将門命をお祀りします。仕事や商いの祈願で訪れる人が多く、平日の朝はスーツ姿の参拝者を見かけます。鮮やかな朱の社殿は関東大震災のあと、当時としては珍しい鉄骨鉄筋コンクリートで再建されたもので、東京大空襲にも耐えました。
日枝神社
千代田区永田町
国会議事堂のすぐ近く、赤坂の高台に鎮座します。江戸城の鎮守として徳川将軍家に篤く崇敬された社。神使が猿であることから「まさる(魔が去る・勝る)」に通じるとされ、境内では狛犬ではなく神猿(まさる)像が迎えてくれます。稲荷参道の朱鳥居が連なる石段は、都心とは思えない眺めです。
下町を歩く
根津神社
文京区根津
五代将軍徳川綱吉が造営した社殿が、江戸のまま残っています。本殿・幣殿・拝殿・唐門・楼門・透塀のすべてが国の重要文化財という、都内では稀有な神社。四月下旬から五月にかけてはつつじ苑が見頃を迎え、乙女稲荷の千本鳥居とあわせて、境内のどこを歩いても絵になります。谷根千の散策とあわせて。
富岡八幡宮
江東区富岡
江戸最大の八幡さまで、深川八幡祭りは江戸三大祭のひとつ。水を掛け合いながら神輿を担ぐ「水掛け祭」として知られます。江戸勧進相撲の発祥地でもあり、境内には歴代横綱の名を刻んだ横綱力士碑が立っています。伊能忠敬が測量の旅に出る前に必ず参拝したことから、その銅像も。
亀戸天神社
江東区亀戸
菅原道真公をお祀りする学問の神さま。太宰府天満宮にならって造られ、「東京の太宰府」とも呼ばれます。二月から三月は梅、四月下旬は藤の名所。心字池にかかる朱塗りの太鼓橋は、渡ることで過去・現在・未来を歩むとされます。橋の上から見上げる藤棚とスカイツリーの取り合わせは、この場所だけのものです。
浅草神社
台東区浅草
浅草寺の本堂のすぐ隣。観音像を見つけた漁師の兄弟と、その像を祀った土師中知の三人を神としてお祀りすることから「三社さま」と呼ばれます。五月の三社祭はよく知られていますが、それ以外の日は浅草寺の賑わいが嘘のように静かです。社殿は徳川家光の寄進によるもので、国の重要文化財。
少し足をのばして
大國魂神社
府中市宮町
武蔵国の総社として千九百年の歴史をもつ古社。かつて国司が国内の神社をめぐって奉幣する代わりに、武蔵国の六社を一箇所に集めてお祀りしたのがはじまりです。参道のけやき並木は国の天然記念物。五月の例大祭「くらやみ祭」は、深夜に灯りを消して神輿を渡御させる古式ゆかしい祭礼として知られます。
武蔵御嶽神社
青梅市御岳山
標高929メートルの御岳山の山頂に鎮座します。ケーブルカーを降りてから参道を歩き、三百段以上の石段を登った先。古くから山岳信仰の地で、狼を神の使いとする「おいぬ様」信仰から、愛犬を連れて参拝する人が多いことでも知られます。山上には宿坊が並び、朝の澄んだ空気のなかで参拝できます。
東京大神宮
千代田区富士見
伊勢神宮の遥拝殿として明治に創建され、「東京のお伊勢さま」と親しまれています。日本ではじめて神前結婚式を行った神社で、縁結びを願う参拝者が絶えません。ビルに囲まれた小さな境内ですが、飯田橋の駅から歩いて数分でこの静けさに入れるのが、この神社のありがたさです。
一日でめぐるなら
めぐった記録は、その日のうちに
何社かをまとめてめぐると、あとから振り返ったときに記憶が混ざります。どの神社で何を願ったのか、どこの空気がいちばん静かだったのか。御朱印帳には日付と社名しか残らないので、覚えているつもりでも意外と薄れていくものです。
参拝したその場で、ひとことだけ書き留めておく。次に同じ神社を訪れたとき、前回の自分が何を考えていたかが読み返せます。神社めぐりが、少しずつ自分の記録になっていきます。