ジョーティッシュ用語集

Jyotish Glossary

ラグナ(上昇宮)

ラグナ(Lagna)は、出生した瞬間に東の地平線上に昇っていた星座のことです。ジョーティッシュのホロスコープ全体の起点であり、1室(アセンダント)を定めます。西洋占星術のアセンダントに相当しますが、サイドリアル方式で計算するため星座が異なる場合があります。

ラグナはその人の基本的な性格、体質、外見的な特徴、人生に対するアプローチを表す最も重要な要素です。例えば、メーシャ(牡羊座)ラグナの人は行動的でリーダーシップがあり、カルカ(蟹座)ラグナの人は感受性が豊かで家庭を大切にする傾向があります。

ラグナは約2時間ごとに次の星座に移るため、出生時間の正確さが鑑定の精度を大きく左右します。正確な出生時間がない場合、ラグナの特定が困難になります。母子手帳に記載されている出生時刻を確認することをお勧めします。

ラグナの支配星(ラグネーシャ)がどのハウスに在住するかは、人生の主要なテーマを決定する重要な指標です。例えば、ラグネーシャが10室にあればキャリア志向が強く、7室にあれば対人関係が人生の中心テーマになります。

ラーシ(星座)

ラーシ(Rashi)はジョーティッシュにおける12の星座です。黄道360度を30度ずつ12等分し、それぞれに固有の性質・支配星・元素・特質が割り当てられています。西洋占星術と同じ12星座ですが、サイドリアル方式のため位置が約24度ずれます。

各星座は4元素(火・地・風・水)と3特質(可動=チャラ・固定=スティラ・二重=ドヴィスヴァバーヴァ)で分類されます。火の星座は行動的、地は実際的、風は知的、水は感情的な傾向を持ちます。可動星座は変化を好み、固定星座は安定を求め、二重星座は適応力に優れます。詳しくは12ラーシ一覧ページをご覧ください。

メーシャ
Mesha / 牡羊座 / 0-30度
火・可動。支配星: 火星。行動力、勇気、独立心、パイオニア精神。身体では頭部を司る。
ヴリシャバ
Vrishabha / 牡牛座 / 30-60度
地・固定。支配星: 金星。安定、美意識、物質的豊かさ、忍耐力。身体では顔・喉を司る。
ミトゥナ
Mithuna / 双子座 / 60-90度
風・二重。支配星: 水星。知性、コミュニケーション、多才、好奇心。身体では肩・腕を司る。
カルカ
Karka / 蟹座 / 90-120度
水・可動。支配星: 月。感受性、家庭愛、養育、感情の深さ。身体では胸・胃を司る。
シンハ
Simha / 獅子座 / 120-150度
火・固定。支配星: 太陽。威厳、創造性、リーダーシップ、自尊心。身体では心臓を司る。
カンニャー
Kanya / 乙女座 / 150-180度
地・二重。支配星: 水星。分析力、実務能力、奉仕精神、完璧主義。身体では腹部を司る。
トゥラー
Tula / 天秤座 / 180-210度
風・可動。支配星: 金星。調和、外交、美的感覚、公正さ。身体では腰・腎臓を司る。
ヴリシュチカ
Vrischika / 蠍座 / 210-240度
水・固定。支配星: 火星。洞察力、変容、秘密、強烈な感情。身体では生殖器を司る。
ダヌ
Dhanu / 射手座 / 240-270度
火・二重。支配星: 木星。哲学、冒険、楽観主義、高等教育。身体では太腿を司る。
マカラ
Makara / 山羊座 / 270-300度
地・可動。支配星: 土星。野心、責任感、規律、社会的地位。身体では膝を司る。
クンバ
Kumbha / 水瓶座 / 300-330度
風・固定。支配星: 土星。革新、人道主義、独自性、集団意識。身体ではふくらはぎを司る。
ミーナ
Meena / 魚座 / 330-360度
水・二重。支配星: 木星。精神性、直感、慈悲、芸術的感性。身体では足を司る。

各ラーシの詳しい解説はこちら →

グラハ(惑星)

ジョーティッシュでは9つの天体(ナヴァグラハ)を使用します。西洋占星術で重視される天王星・海王星・冥王星は使用せず、代わりに月の交点であるラーフとケートゥを非常に重視します。各惑星には吉凶の性質、友好・敵対関係、高揚星座・減衰星座があり、これらが解釈の基盤となります。

スーリヤ(太陽)
Surya / Sun / 自然的凶星
魂(アートマン)、権威、父親、政府、社会的地位、リーダーシップ、自尊心。高揚: 牡羊座10度。減衰: 天秤座10度。ダシャー期間: 6年。太陽が強い人は威厳があり、指導者的な役割を果たします。
チャンドラ(月)
Chandra / Moon / 吉凶は満ち欠けによる
心(マナス)、感情、母親、大衆、心の安定、養育。高揚: 牡牛座3度。減衰: 蠍座3度。ダシャー期間: 10年。ジョーティッシュでは月の星座が太陽星座より重視されます。満月に近い月は吉、新月に近い月は凶とされます。
マンガラ(火星)
Mangala / Mars / 自然的凶星
行動力、勇気、兄弟、土地・不動産、エネルギー、争い、手術。高揚: 山羊座28度。減衰: 蟹座28度。ダシャー期間: 7年。火星が7室に在住する「マンガラ・ドーシャ」は結婚に影響するとされる配置です。
ブダ(水星)
Budha / Mercury / 伴う惑星の性質を帯びる
知性、コミュニケーション、商才、学問、計算能力、若さ。高揚: 乙女座15度。減衰: 魚座15度。ダシャー期間: 17年。水星は単独では中性で、伴う惑星(コンジャンクション)の性質に染まる特徴を持ちます。
グル(木星)
Guru / Jupiter / 最大吉星
知恵、幸運、拡大、導師(グル)、子供、宗教、法律、富。高揚: 蟹座5度。減衰: 山羊座5度。ダシャー期間: 16年。木星は最も強力な吉星で、在住するハウスとアスペクトするハウスに恩恵をもたらします。
シュクラ(金星)
Shukra / Venus / 吉星
愛、美、芸術、快楽、結婚、豊かさ、乗り物、贅沢。高揚: 魚座27度。減衰: 乙女座27度。ダシャー期間: 20年(最長)。金星は恋愛・結婚の第一指標であり、物質的な豊かさや美的感覚も司ります。
シャニ(土星)
Shani / Saturn / 自然的凶星
忍耐、制限、労働、責任、遅延、長寿、カルマ、苦行。高揚: 天秤座20度。減衰: 牡羊座20度。ダシャー期間: 19年。土星は困難をもたらすが、それを通じた成長と成熟を促します。「サデ・サティ」(土星が月の前後を通過する7.5年間)は人生の試練期として知られます。
ラーフ(龍頭)
Rahu / North Node / 自然的凶星
欲望、執着、物質的野心、外国、革新、テクノロジー、混乱、幻惑。実体のない影の惑星(チャーヤグラハ)。ダシャー期間: 18年。ラーフは今世で新たに追求すべきテーマを示し、在住する星座・ハウスの事柄に強い執着をもたらします。
ケートゥ(龍尾)
Ketu / South Node / 自然的凶星
解脱、精神性、過去世のカルマ、直感、隔離、否定。ラーフの対極に位置する影の惑星。ダシャー期間: 7年。ケートゥは過去世で既に経験した事柄を示し、在住するハウスの事柄に対して無関心や超越の傾向をもたらします。
バラナシ・ガンガーのボート
Varanasi, India

ナクシャトラ(月宿)

ナクシャトラ(Nakshatra)は、黄道を27等分した月の宿です。各ナクシャトラは13度20分の幅を持ち、固有の支配星・象徴・動物・性質(デーヴァ=神的・マヌシャ=人的・ラークシャサ=魔的)を持ちます。

月が位置するナクシャトラは「ジャンマ・ナクシャトラ(出生ナクシャトラ)」と呼ばれ、ジョーティッシュにおいて極めて重要です。ダシャーの起点を決定するだけでなく、性格の深層、行動パターン、人生の根本的なテーマに影響を与えます。また、結婚の相性判断(クータ法・アシュタクータ)でも中心的な役割を果たします。

各ナクシャトラは4つのパーダ(四半分)に分割され、各パーダは3度20分です。パーダによってナヴァームシャ(D9分割図)の星座が決まるため、ナクシャトラの理解は分割図の解読にも不可欠です。詳しくはナクシャトラ一覧ページをご覧ください。

27ナクシャトラ一覧

1
アシュヴィニー
支配星: ケートゥ
2
バラニー
支配星: 金星
3
クリッティカー
支配星: 太陽
4
ローヒニー
支配星: 月
5
ムリガシーラ
支配星: 火星
6
アールドラー
支配星: ラーフ
7
プナルヴァス
支配星: 木星
8
プシュヤ
支配星: 土星
9
アーシュレーシャー
支配星: 水星
10
マガー
支配星: ケートゥ
11
プールヴァ・パールグニー
支配星: 金星
12
ウッタラ・パールグニー
支配星: 太陽
13
ハスタ
支配星: 月
14
チトラー
支配星: 火星
15
スヴァーティー
支配星: ラーフ
16
ヴィシャーカー
支配星: 木星
17
アヌラーダー
支配星: 土星
18
ジェーシュター
支配星: 水星
19
ムーラ
支配星: ケートゥ
20
プールヴァ・アシャーダー
支配星: 金星
21
ウッタラ・アシャーダー
支配星: 太陽
22
シュラヴァナ
支配星: 月
23
ダニシュター
支配星: 火星
24
シャタビシャー
支配星: ラーフ
25
プールヴァ・バードラパダー
支配星: 木星
26
ウッタラ・バードラパダー
支配星: 土星
27
レーヴァティー
支配星: 水星
ナクシャトラの支配星は、ケートゥ→金星→太陽→月→火星→ラーフ→木星→土星→水星の順で繰り返されます。この順序はヴィムショッタリー・ダシャーの惑星順と同一であり、出生時のナクシャトラの支配星が最初のダシャーを決定します。

各ナクシャトラの詳しい解説はこちら →

バーヴァ(ハウス)

バーヴァ(Bhava)は、ホロスコープを12分割した「室」のことです。ラグナから反時計回りに1室〜12室が配置され、各ハウスは人生の異なる領域を表します。ハウスに在住する惑星、ハウスの支配星の状態、そしてハウスにアスペクトする惑星から、その領域の運勢を読み解きます。

12ハウスは機能的にグループ分けされます。ケンドラ(1,4,7,10室)は行動力と安定の柱、トリコーナ(1,5,9室)は幸運と功徳の源、ドゥシュスターナ(6,8,12室)は困難と試練を表します。ケンドラとトリコーナの支配星は吉的に、ドゥシュスターナの支配星は凶的に作用する傾向があります。

名称グループ象意
1室タヌケンドラ・トリコーナ自己、性格、体質、外見、健康、人生の方向性。最も重要なハウス。
2室ダナマーラカ財産、家族、食事、スピーチ、右目、幼少期の教育。蓄財の能力を示す。
3室サハジャウパチャヤ兄弟姉妹、勇気、コミュニケーション、短距離の旅、趣味、努力。凶星が良い結果を出すハウス。
4室スカケンドラ家庭、母親、不動産、乗り物、心の安定、学歴。内面の満足度を示す。
5室プトラトリコーナ子供、知性、創造性、恋愛、前世の功徳(プールヴァ・プンニャ)、投機。
6室リプドゥシュスターナ・ウパチャヤ敵、病気、負債、日常の労働、奉仕、訴訟。困難だが克服可能な領域。
7室カラトラケンドラ・マーラカ結婚、配偶者、パートナーシップ、対人関係、ビジネスパートナー、海外居住。
8室アーユドゥシュスターナ寿命、変容、秘密、遺産・相続、研究、オカルト、突然の変化。最も神秘的なハウス。
9室ダルマトリコーナ幸運、宗教・哲学、導師、父親、長距離の旅、高等教育。最も吉なハウスのひとつ。
10室カルマケンドラ・ウパチャヤ天職、社会的地位、名誉、キャリア、行為(カルマ)。最も強力なケンドラ。
11室ラーバウパチャヤ利益、収益、友人、年上の兄姉、希望の実現、ネットワーク。あらゆる惑星が吉結果を出しやすいハウス。
12室ヴィヤヤドゥシュスターナ損失、出費、海外、精神世界、解脱(モクシャ)、睡眠、隔離。物質的には損失だが精神的には解放を示す。

パンチャーンガ

パンチャーンガ(Panchanga)はサンスクリット語で「パンチャ(5)+ アンガ(肢)」、つまり「5つの肢」を意味します。ヴェーダ暦における5つの時間的要素で、日々の吉凶判断やムフールタ(吉日選定)の基盤となります。出生時のパンチャーンガは、その人の気質や先天的な運勢の傾向を示します。

ティティ Tithi
太陽と月の経度差を12度ずつ区切った30段階の月相指標。シュクラ・パクシャ(新月→満月の15段階)とクリシュナ・パクシャ(満月→新月の15段階)に分かれます。ティティは感情面の傾向や内面的な性質を反映し、各ティティには固有の支配神と吉凶があります。例えば、プールニマー(満月)に生まれた人は感受性が豊かで、アマーヴァシヤー(新月)は内省的な傾向があります。
ナクシャトラ Nakshatra
パンチャーンガの第2要素としてのナクシャトラは、その日の月が位置する27宿を指します。出生ナクシャトラは性格の根幹を定め、ダシャーの起点を決定する最重要要素です。詳しくは上記のナクシャトラの項をご参照ください。
ヨーガ(パンチャーンガ)Yoga
太陽と月の経度を合計し、13度20分ずつ27等分したもの。惑星配置のヨーガとは全く別の概念です。27種類あり、ヴィシュカンバ、プリティ、アーユシュマットなど固有の名前を持ちます。日常活動の吉凶を判断する指標として、特にムフールタ(吉日選定)で重視されます。
カラナ Karana
ティティの半分にあたる単位で、全11種類(7つの可動カラナ + 4つの固定カラナ)。ティティよりも短い時間単位で、特定の活動の適否を細かく判断するために使用されます。例えば、ヴァニジャ・カラナは商業活動に適し、バヴァ・カラナは建設に適するとされます。
ヴァーラ Vara
パンチャーンガの第5要素は曜日です。各曜日には支配星があり(日曜=太陽、月曜=月、火曜=火星、水曜=水星、木曜=木星、金曜=金星、土曜=土星)、その日の基本的な性質を決定します。出生曜日の支配星は人生に持続的な影響を及ぼします。

ダシャー(時期予測)

ダシャー(Dasha)は、ジョーティッシュ最大の特徴であり最も実用的なシステムです。「状態」「条件」を意味し、人生の各時期がどの惑星の影響下にあるかを示します。最も広く使用されるヴィムショッタリー・ダシャーは、120年の人生周期を9つの惑星に不均等に配分します。

ダシャーの起点は、出生時の月のナクシャトラの支配星で決まります。例えば、月がアシュヴィニー・ナクシャトラ(支配星: ケートゥ)にある人は、ケートゥのマハーダシャーから人生が始まります。

マハーダシャー Mahadasha
大きな惑星期間(6〜20年)。その期間の人生全体のテーマ・色合いを決定します。例えば、木星のマハーダシャー(16年間)は知恵・幸運・拡大の時期、土星のマハーダシャー(19年間)は忍耐・責任・カルマの精算の時期となります。マハーダシャーの惑星がホロスコープ上で強い位置にあれば好結果、弱い位置にあれば困難な時期になります。
アンタルダシャー Antardasha / Bhukti
マハーダシャー内の副期間。マハーダシャーの大きなテーマの中で、より具体的な出来事やサブテーマのタイミングを示します。例えば、木星マハーダシャー中の金星アンタルダシャーでは、木星的な拡大のテーマの中で金星的な恋愛・結婚・芸術の出来事が起こりやすくなります。
プラティアンタルダシャー Pratyantardasha
アンタルダシャーをさらに細分化した第3レベルのダシャー。数日〜数ヶ月の単位で、非常に具体的な出来事のタイミングを示します。精密な時期予測には、マハーダシャー→アンタルダシャー→プラティアンタルダシャーの3レベルを組み合わせて読解します。

各惑星のダシャー期間

惑星期間テーマ
太陽(スーリヤ)6年権威、自己確立、父親、政府・組織との関わり
月(チャンドラ)10年感情、家庭、母親、大衆、心の安定・不安定
火星(マンガラ)7年行動、競争、不動産、手術、兄弟との関わり
ラーフ18年欲望の追求、外国、革新、混乱と成長
木星(グル)16年知恵、幸運、拡大、教育、子供、精神的成長
土星(シャニ)19年忍耐、責任、カルマの精算、遅れて実る成果
水星(ブダ)17年知的活動、コミュニケーション、商売、学問
ケートゥ7年精神的覚醒、過去との決別、予期せぬ変化
金星(シュクラ)20年恋愛、結婚、芸術、豊かさ、快楽
ダシャーの順序は固定で、太陽→月→火星→ラーフ→木星→土星→水星→ケートゥ→金星の順に循環します。合計120年で一巡し、出生ナクシャトラの支配星から開始されます。

ダシャーの読み方 完全ガイドはこちら →

ヨーガ(惑星配置パターン)

ヨーガ(Yoga)は、特定の惑星の配置・組み合わせが形成する特別なパターンです。サンスクリット語で「結合」を意味し、惑星同士やハウスとの特定の関係性が、特別な結果をもたらすとされます。幸運をもたらす吉ヨーガから困難を示す凶ヨーガまで、古典文献には何百ものヨーガが記述されています。

ヨーガの効果は、関与する惑星のシャドバラ(強さ)、在住するハウスの状態、そして対応するダシャー期間によって大きく異なります。強い惑星が形成するヨーガは明確に現れ、弱い惑星のヨーガは限定的な効果にとどまります。

代表的な吉ヨーガ

ラージャ・ヨーガ
ケンドラ(1,4,7,10室)の支配星とトリコーナ(1,5,9室)の支配星が結合・相互アスペクトするヨーガ。権威、社会的成功、名誉をもたらす最も重要なヨーガ。
ダーナ・ヨーガ
2室・11室の支配星と吉星の特定の組み合わせ。富と財の蓄積をもたらすヨーガ。木星が関与すると特に強力。
ガジャケーサリー・ヨーガ
月と木星がケンドラ(1,4,7,10室)の関係にあるヨーガ。知恵、名声、人望、学問的成功をもたらす。広く見られるヨーガのひとつ。
パンチャ・マハープルシャ・ヨーガ
火星・水星・木星・金星・土星のいずれかがケンドラ(1,4,7,10室)で自分の星座か高揚星座に在住するヨーガ。5種類あり(ルチャカ・バドラ・ハムサ・マーラヴィア・シャシャ)、それぞれ偉大な人物の資質を示す。
ブッダーディティヤ・ヨーガ
太陽と水星がコンジャンクション(同じ星座に在住)するヨーガ。知性、学問、話術に優れる。太陽と水星は軌道が近いため比較的よく見られる。
アムラ・ヨーガ
10室に吉星(木星・金星・水星)が在住し、10室支配星も強い配置。社会的に高い評判、名声、持続的な成功をもたらす。

注意すべき凶ヨーガ

ケーマドルマ・ヨーガ
月の前後のハウス(2室と12室)に惑星が在住しないヨーガ。月が孤立し、感情的な不安定さや孤独感をもたらすとされる。ただし、月がケンドラに在住する場合はキャンセルされる。
サーデ・サティ
正確にはヨーガではなくトランジットだが、重要な概念。トランジットの土星が出生の月の前後の星座を通過する約7.5年間。人生の試練と成熟の時期とされ、忍耐が求められる。

シャドバラ(惑星の強さ)

シャドバラ(Shadbala)は「シャド(6)+ バラ(強さ)」、つまり「6つの強さ」を意味し、各惑星の総合的な力を数値で評価するシステムです。シャドバラが高い惑星は、その象意を強く発揮し、支配するハウスの事柄に好結果をもたらします。逆にシャドバラが低い惑星は、象意が弱く、困難や遅延をもたらす傾向があります。

スターナバラ Sthana Bala(位置の強さ)
惑星が在住するラーシ・ハウスでの品位を評価します。高揚星座(ウッチャ)、自分の星座(スヴァクシェートラ)、友好星座にあれば強く、減衰星座(ニーチャ)や敵対星座にあれば弱くなります。スターナバラは5つのサブカテゴリ(ウッチャバラ、サプタヴァルガジャバラ等)から構成される、最も複合的な強さです。
ディグバラ Dig Bala(方位の強さ)
各惑星には最も力を発揮するハウス(方角)があります。木星と水星は1室(東)で最強、太陽と火星は10室(南)で最強、土星は7室(西)で最強、月と金星は4室(北)で最強になります。対角のハウスではディグバラが最小になります。
カーラバラ Kala Bala(時間の強さ)
出生の時間帯に基づく強さ。昼生まれでは太陽・木星・金星が強く、夜生まれでは月・火星・土星が強くなります。また、出生曜日の支配星、出生月、出生年の惑星周期による強さも含まれます。
チェシュターバラ Cheshta Bala(運動の強さ)
惑星の天文学的な運動状態による強さ。逆行中の惑星は通常よりも強いチェシュターバラを持ちます(逆行は天文学的に地球に最も近い状態のため)。太陽と月にはアヤナバラ(赤緯に基づく強さ)が代わりに適用されます。
ナイサルギカバラ Naisargika Bala(自然の強さ)
惑星が生まれ持つ固有の力。太陽が最も強く(60シャシュティアームシャ)、以下、月→金星→木星→水星→火星→土星の順に弱くなります。この強さは全てのチャートで一定であり、他の5つの強さとは異なり変化しません。
ドリグバラ Drig Bala(視線の強さ)
他の惑星からのアスペクト(視線)による強さの増減。吉星(木星・金星・強い水星・強い月)からのアスペクトはドリグバラを増加させ、凶星(土星・火星・ラーフ・ケートゥ)からのアスペクトは減少させます。
シャドバラは6つの強さの合計値で表されます。一般に、太陽と火星は390シャシュティアームシャ以上、月は360以上、水星と木星は420以上、金星は330以上、土星は300以上あれば「強い」とされます。

分割図(ヴァルガ)

分割図(Varga Chart)は、ラーシチャート(D1)を特定の数学的ルールで分割して作成するサブチャートです。人生の特定の領域にズームインし、ラーシチャートだけでは見えない詳細を明らかにします。古典文献には16種類の主要な分割図(ショーダシャヴァルガ)が定義されています。

分割図の読み方は基本的にラーシチャートと同じですが、分割図での惑星の位置はラーシチャートとは異なります。ラーシチャートと分割図の両方で惑星が強い位置にあれば、その領域で強い結果が期待できます。

D1 ラーシ
Rashi Chart
基本チャート(分割なし)。人生全般を示す。すべての分析の基盤。
D2 ホーラ
Hora
財運・富の傾向。太陽のホーラ(奇数星座)と月のホーラ(偶数星座)で富の性質を判断。
D3 ドレッカナ
Drekkana
兄弟姉妹・勇気・コミュニケーション。3室の詳細分析に使用。
D4 チャトゥルタームシャ
Chaturthamsha
不動産・固定資産・家庭環境。4室の詳細分析に使用。
D7 サプタームシャ
Saptamsha
子供運・子孫。子供の数、性質、親子関係を分析。
D9 ナヴァームシャ
Navamsha(最重要)
結婚運・配偶者・人生の実質。D1に次いで最も重要。配偶者の性格、結婚後の生活、惑星の真の力を示す。ダシャー判断にも必須。
D10 ダシャームシャ
Dashamsha
仕事運・キャリア・社会的地位。職業適性、昇進、仕事での成功を詳細に分析。D9と並んで実用性が高い。
D12 ドヴァダシャームシャ
Dwadashamsha
両親との関係。父母の状況、親子関係の質を分析。
D16 ショーダシャームシャ
Shodashamsha
幸福・乗り物・物質的快楽。車や住居など物質的な享受を分析。
D20 ヴィムシャームシャ
Vimshamsha
精神修行・信仰・スピリチュアリティ。宗教的傾向や精神的成長を分析。
D24 チャトゥルヴィムシャームシャ
Chaturvimshamsha
学問・教育・知識の獲得。学歴、専門知識、学術的成功を分析。
D27 サプタヴィムシャームシャ
Saptavimshamsha
強さ・体力・全般的な活力を分析。
D30 トリムシャームシャ
Trimshamsha
凶事・困難・不幸。潜在的なリスクや困難の傾向を分析。
D40 カヴェーダムシャ
Khavedamsha
母方の遺産・母方からの恩恵を分析。
D45 アクシャヴェーダムシャ
Akshavedamsha
父方の遺産・父方からの恩恵を分析。
D60 シャシュティアームシャ
Shashtiamsha
過去世のカルマ。最も微細な分割図で、出生時間が非常に正確な場合にのみ有効。
実践的には、D1(ラーシ)、D9(ナヴァームシャ)、D10(ダシャームシャ)の3つが最も頻繁に使用されます。D9はあらゆる鑑定の補助として必須で、「D1で示された可能性がD9で確認されれば、その結果はほぼ確実に現れる」と言われています。

アシュタカヴァルガ

アシュタカヴァルガ(Ashtakavarga)は「アシュタ(8)+ ヴァルガ(分割)」、つまり「8つの源からの強さ」を意味します。7つの惑星(太陽〜土星)とラグナの計8つの視点から、各星座における吉凶の点数(ビンドゥ)を算出する独自のシステムです。

BAV(個別惑星のアシュタカヴァルガ)

各惑星ごとに、12星座それぞれに0〜8のビンドゥ(吉点)が割り当てられます。惑星がビンドゥの高い星座をトランジットする時期は、その惑星の象意が好調に発揮されます。例えば、土星の個別アシュタカヴァルガでビンドゥが4以上の星座を土星がトランジットする時期は比較的穏やかですが、3以下の星座では試練が生じやすくなります。

SAV(サルヴァ・アシュタカヴァルガ)

7惑星のBAVを合計したもので、各星座の総合的な吉凶力を示します。SAVの合計は337ビンドゥで固定されており、12星座の平均は約28ビンドゥです。

30以上のビンドゥを持つ星座は「強い星座」で、その星座に対応するハウスの事柄は順調に進みやすくなります。25以下は「弱い星座」で、困難や障害が生じやすい領域です。

アシュタカヴァルガの実践的活用

アシュタカヴァルガはダシャーと組み合わせることで真価を発揮します。ダシャーで「いつ」を知り、アシュタカヴァルガで「どの分野が強いか弱いか」を数値的に判断できます。また、惑星がトランジットで高ビンドゥの星座を通過する時期は好調で、低ビンドゥの星座を通過する時期は注意が必要です。

惑星の品位(ディグニティ)

各惑星には、在住する星座によって強さが変わる「品位」のシステムがあります。品位は惑星がどれだけ自由にその象意を発揮できるかを決定する基本的な要素です。

ウッチャ(高揚)Exaltation
惑星が最も力を発揮する星座と度数。高揚した惑星はその象意を最大限に発揮し、在住するハウスに強い恩恵をもたらします。例: 太陽は牡羊座10度で高揚。
ムーラトリコーナ Moolatrikona
高揚に次いで強い配置。各惑星には自分のムーラトリコーナ星座があり、その星座の特定の度数範囲に在住すると非常に強く機能します。例: 太陽は獅子座0-20度がムーラトリコーナ。
スヴァクシェートラ(定座)Own Sign
惑星が支配する星座に在住する配置。「自分の家にいる」状態で、安定して象意を発揮します。例: 火星は牡羊座と蠍座が自分の星座。
ニーチャ(減衰)Debilitation
惑星が最も弱くなる星座。高揚の正反対の星座で、象意の発揮が困難になります。ただし、減衰のキャンセル(ニーチャバンガ)条件が成立すれば、逆に非常に強い結果をもたらすこともあります。例: 太陽は天秤座10度で減衰。

アスペクト(ドリシュティ)

ジョーティッシュのアスペクト(Drishti = 視線)は、西洋占星術とは大きく異なります。すべての惑星は自分から7番目のハウス(対角)にフルアスペクトを持ちますが、火星・木星・土星は追加のスペシャルアスペクトを持ちます。

通常アスペクト
すべての惑星は、在住ハウスから数えて7番目のハウスにフルアスペクト(100%の視線)を投げかけます。これは西洋占星術のオポジション(180度)に似ていますが、度数ではなくハウス単位で計算される点が異なります。
火星のスペシャルアスペクト
火星は7番目に加えて、4番目と8番目のハウスにもフルアスペクトを持ちます。これにより火星は広範囲に影響力を及ぼし、行動力・エネルギー・競争をアスペクト先のハウスにもたらします。
木星のスペシャルアスペクト
木星は7番目に加えて、5番目と9番目のハウスにもフルアスペクトを持ちます。5室と9室はトリコーナ(最吉ハウス)であるため、木星のアスペクトは非常に吉とされ、アスペクト先のハウスに知恵・幸運・保護をもたらします。
土星のスペシャルアスペクト
土星は7番目に加えて、3番目と10番目のハウスにもフルアスペクトを持ちます。土星のアスペクトは制限・遅延・忍耐を要求しますが、同時に構造化と成熟をもたらします。
ラーフとケートゥには通常アスペクト(7番目)のみ適用されます。一部の流派ではラーフ・ケートゥにもスペシャルアスペクトを認めますが、パラーシャラの古典的解釈では認めていません。

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